強い組織作りをするために、多くの会社で、理念を社員と共有し、士気を高めようとします。もちろん、この理念はとても重要です。

しかし、こういった理念だけを意識した結果、組織運営がうまくいっていない会社をよく見かけます。

実は、先日牛角や居酒屋土間土間の創業者ダイニングイノベーションの西山会長の講演にいってきました。

そこで、お話をしていただいた内容が、あまりにも納得いくことがばかりだったので、この講演の内容で学んだ強い組織作りについてのお話をしたいと思います。

以後はわたしの意見も織り交ぜながら、西山さんが講演内で言っていた言葉をわたしの言葉で述べていこうと思います。

理念が企業にとって重要な理由

理念が企業にとって重要な理由

理念・ビジョンは企業にとって、とても重要です。それは、企業にとって、社員が行動する指針になるからです。この指針がない企業は、確実にバラバラになります。

一つ例をあげましょう。

A企業の理念が「お客様に心の底から笑顔になってもらうサービスを提供する」だとします。

この場合、この「お客様に心の底から笑顔になってもらうサービスを提供する」が従業員一人一人の行動指針となります。

この行動指針からずれた行動をとった従業員は当然注意され、再度理念を思い出し、行動に移さなければいけません。

スタッフが店内でおしゃべりをした際、「店内でおしゃべりするな!」と怒るのは普通ですが、ここに理念の要素をしっかり取り入れ、「私たちの理念に反していないか?その行動でお客様に心の底から笑顔になってもらうか?」と注意するのとでは、全く違います。

この理念を一つの行動指針にすることにより、従業員もなぜ自分が注意されたのか?褒められたのか?を理解できます。そして、従業員自身が目指すべき方向も明確になります。

このような結果から、理念は企業にとって必ず必要なものなのです。

理念だけに囚われおろそかにする労働環境

理念だけに囚われおろそかにする労働環境

しかし、理念が重要だというものの、それ以前に会社として取り組んでいかないといけないものがあります。それが、労働環境です。日本人は元来から残業は当たり前だと考えがちです。

最近ではこのような考え方はなくなりつつありますが、中小企業はこういった労働環境をしっかりと形作ることをおろそかにしてしまうのです。こうなるとどうなるのでしょうか?

理念の話しをしても、従業員は意識をしようとしなくなるのです。このことを一度マズローの5五段階欲求に例えてみましょう。

組織における上位概念と下位概念を理解する。

組織における上位概念と下位概念を理解する。

マズローの五段階欲求の一番上に位置するものは、自己実現の欲求です。これは企業組織でいう理念にあたります。

そして、マズローの五段階欲求で一番下位に位置する欲求が安心・安全の欲求です。こちらは、企業組織でいうと労働環境にあたります。

マズローの五段階欲求では、下から順番に満たされていきます。要は安心・安全の欲求が満たされていないのに、自己実現の欲求という考えに至らないのです。

わたしが経営している会社の一つにフィリピンの学校があります。ここでは40名以上のフィリピン人を雇用していますが、フィリピンではまだまだ安心・安全の欲求が満たされていません。

国の社会保障なども日本に比べ遅れており、フィリピン人は安心・安全の欲求を満たすのに必死なのです。ここで自己実現の欲求の話をしても、なかなかピンとこないのです。

このマズローの五段階欲求を組織に当てはめた時に、労働環境が整っていない組織に、理念の話をしてもあまり理解されてないということが理解できると思います。

企業がやらなければいけないことは労働環境を整えるということです。ここを疎かにして、理念経営と声高らかに叫んでも誰もついてこないのです。

中小企業こそ労働環境を意識すべき

中小企業こそ労働環境を意識すべき

中小企業からすると、なかなか労働環境まで手が回らない。と考えるでしょうが、労働環境を良くしていくということを意識するだけでも従業員の意識が変わります。

逆に労働環境を放置しすぎると、強い組織ができるどころか、人が定着しない弱い組織になってしまいます。

人材確保が非常に大変な昨今、人が定着しない組織は中小企業にとって大きな痛手となります。ですから、中小企業にこそ労働環境を変革するということを意識する必要があります。

そうすれば、人が定着し、さらには理念に沿った行動をする強い組織作りが可能になるのです

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